子どもが自然と「その子らしさ」を発揮できる——「子育ち」の環境で、地域と家庭をまるごと支えるパートナー
インタビュー

保育園で先生に「気になるところがある」と言われた。健診で引っかかってしまった。でも、誰に相談していいのかわからない。そんなときは、しらゆりフレンドリークラブに気軽にご相談ください。
神戸市北区にある「しらゆりフレンドリークラブ」は、1960年からの歴史を持つ社会福祉法人が運営する児童発達支援センターです。診断がなくても相談でき、給食や送迎もあり、しっかり長時間の支援が受けられます。共働きのご家庭でも無理なく通える環境で、0歳から18歳までのお子さんとご家族をサポートし続けています。事前の相談は無料。
センター長の井上琢也さんは、社会福祉士、こども発達支援研究会機関研究員の資格も持つ発達支援の専門家。遊びの中に支援を組み込み、子どもの「たのしい!」「できた!」を引き出す独自のアプローチと、保護者にも寄り添うあたたかい支援の現場についてお話を伺いました。
※青色部分:(聞き手:こはけんアカデミー編集部)
(取材日 2026年4月3日)
目次
1. 「ちょっと気になる」を受け止める、地域の安心拠点
2. 遊びの中に支援がある。体験を通した「子育ち」の一日
3. 「心、躍る毎日を。」——家族まるごと、チームで支える
1.「ちょっと気になる」を受け止める、地域の安心拠点
しらゆりフレンドリークラブに来られる保護者の方は、どのような悩みを抱えていることが多いですか?
「ことばの遅れが気になる」「集団生活にうまくなじめない」「こだわりが強い」「どう関わっていいかわからない」——そうした、日常の中の「ちょっとした違和感」をきっかけにご相談いただくことが多いですね。
1歳半や3歳の健診で指摘を受けて来られる方もいれば、保育園で先生に「最近お友だちと喧嘩が多くて、、」と言われて、どうすればいいかわからないまま来られる方も多いです。「誰に相談していいかわからなかった」という声は本当にたくさん聞きます。
いきなり電話したら、「まずは小児科へ行ってください」と言われる気がしてしまいます。たとえば、うちの子は小1になったのですが、テレビでバイキンマンが出てくるとすぐに逃げるんですが、そんな悩みでもいいんですか?
もちろんです!「こんな小さなことで相談していいのかな?」と迷われる方が多いのですが、むしろ「ちょっと気になる」という段階でご連絡いただくのが一番良いタイミングなんです。診断や紹介状がなくても、直接ご相談いただいて大丈夫ですよ。
お家でのちょっとした困りごとでも構いません。まずはうちのようなセンターに来ていただいて、「お子さんに合った場所を一緒に考える」ところからスタートできればと思っています。
「児童発達支援センター」って、普通の療育施設とはどう違うのでしょうか?
うちは「0歳から18歳までずっとサポートできる」というのが大きな特徴です。未就学のお子さんから高校生まで通えるだけでなく、保育園などを訪問して支援することもできます。
また、神戸市内には約430か所のさまざまな施設がありますが、地域全体を支える役割を担う「児童発達支援センター」は公立4施設・民間3施設の計7施設しかありません(2026年4月・神戸市公表)。市からの委託で、施設に通われていない方からの無料相談をお受けしたり、他の施設の運営サポートなども行っています。

(しらゆりフレンドリークラブの日常)
無料で相談できるんですね!ただ、「地域の中核センター」と聞くと、逆に敷居が高くて「ちょっとした悩みで相談してもいいのかな」と気が引けてしまうのですが。
たしかに、児童発達支援センターというと、少し堅苦しい印象を持たれるかもしれません。でも、決してそんなことはないんです。「困ったらまずはしらゆりさんへ」とおっしゃっていただけることも多いので、一番最初の相談窓口として、気負わずに声をかけてください。
なるほど、最初の入り口として気軽に頼っていいんですね。ちなみに、相談したら絶対にそちらに通わないといけないのでしょうか?
いいえ、うちの施設だけをお勧めするわけではありません。
お子さんの特性や、親御さんのライフスタイルに合う場所を「一緒に探す」スタンスです。ですから、相談したからといって必ずうちに通う必要はまったくありません。
ご希望に合わせて、よりマッチする他の施設をご紹介することもあります。神戸市からの委託を受けて他の施設のサポートもしているのですが、だからこそ「あの施設のこういう所がいいですよ」とご案内できるのがうちの強みなんですよ。

(保護者相談の様子)
共働きでも利用できるのでしょうか?
はい、共働きでも無理なく利用いただけるように、送迎を行っています。
保育園へお迎えに行き、活動が終わったらまた保育園へ送り届けることも可能です。また、お弁当も不要です。管理栄養士がいて、施設内で手作りの給食を出しています。
食事のサポートや食育もしっかり行っていて、保護者の方にはとても喜ばれていますね。 サービスの時間は6時間と長めに確保しているので、1時間の個別療育とは過ごし方が違います。週5日通う方もいれば、週1~2日の方もいて、ご家庭に合わせて柔軟に対応しています。

(みんなで楽しむ給食)
お弁当も不要で、送迎までしてくれるのは働く親にとって本当にありがたいです!親が特別な準備をする必要はないんですね。「療育」ってもっとハードルが高いものだと思っていました。
そうなんです。「療育」と聞くと身構えてしまいますよね。でも、特別な準備は何もいりません。安心してお子さんを預けて、お仕事に行ってください。お迎えの際に、その日のお子さんの様子をしっかりお伝えします。
もちろん、保育園送迎でもアプリを通してこどもの様子を写真で見てもらえるのでどんなことをしているのかを一目で見ていただけるようにしています。
気軽にスタートできる点は、共働きのご家庭にとって大きな安心材料になっていると思います。
保育園や幼稚園とも連携してもらえるんでしょうか?
はい。「保育所等訪問支援」といって、経験豊富なスタッフが保育園や幼稚園に直接出向き、園の先生と一緒にサポート方法を考えるサービスを行っています。「うちの施設では落ち着いているのに、園ではうまくいかない」というケースは実は多いんです。
実際に訪問先の園の先生方からも、「一緒に子どもの姿を見ながら、療育での姿と園での姿の違いについてともに考えてくれる」「具体的なエピソードや接し方のアドバイスをもらえるので、とてもわかりやすい」といったお声をいただいています。
園の先生がお子さんへ対応しやすくなることで、結果的に子どもたちの困りごとが減り、園でも心地よく過ごせるようになるんです。このように、園の先生と具体的な関わり方を編み出していくことで、ご家庭・施設・園の支援の輪がひとつに繋がります。「保育園との架け橋になってくれた」と保護者の方にも大変喜ばれており、これは地域の中核センターならではの強みですね。
2.遊びの中に支援がある。体験を通した「子育ち」の一日
実際にお子さんたちは、一日をどのように過ごしているのですか?
朝は「身支度」から始まります。お友達と一緒にリュックを片付けたりするのも大切な経験です。その後は、かけっこやリズム遊びで体を動かしたり、朝の会を開いたり。幼稚園や保育園と同じリズムで生活できるように工夫しています。
単なる自由遊びに見える時間でも、実はスタッフが一人ひとりに合った関わり方をしています。当施設では「子ども12人に対して大人4人以上」という手厚い体制をとっているので、子どもの小さなサインに気づけます。「療育」というと特別な訓練をするイメージがあるかもしれませんが、うちは違います。
遊びの中に支援を自然に溶け込ませているのが特徴です。その子に合わせた個別の計画をもとに活動しており、スタッフ全員が同じ基準で関われるように研修も徹底しています。



(子ども12人に対して支援者4名の手厚い支援体制)
通い始めてからのお子さんの変化で、印象的なエピソードはありますか?
発達や集団生活に大きな不安を抱えて来られたお子さんがいました。
いらっしゃったばかりの頃は衝動性も強く、つい手が出たり、物を壊したりというような行動も多かったのですが、まずは少人数のグループからスタートし、3年かけて少しずつできることが増えていきました。
最後の1年には週の半分は保育園に通うこともでき、保育所等訪問支援でもサポートをして、修了式でも無事かっこいい姿をみせてくれたようです。最初は不安そうだった親御さんも、定期的な面談で悩みを共有しながら一緒に歩むうちに、お子さんの確かな成長を実感されていきました。
イベントにもたくさん参加され、「本当にかけがえのない時間でした」と親子で一緒に書いたお手紙までくださって。お子さんだけでなく、ご家族全体の「安心」が広がっていくのを見たときは、心からこの仕事をしていて良かったと感じます。

(利用者の方からのお手紙)
支援の質を保つために、どんな工夫をされていますか?
月1回の勉強会で最新の知見を学び合ったり、日々の支援を振り返って質を高め続けています。しっかりとした教育体制があるので、「どのスタッフが担当しても支援の方針がブレない」仕組みになっています。これは親御さんにとっても大きな安心感に繋がるはずです。必要に応じて外部の専門機関とも連携し、チーム全体で多角的にサポートすることを大切にしています。
3.「心、躍る毎日を。」——家族まるごと、チームで支える
「心、躍る毎日を。」という言葉に込めた思いを教えてください。
「できた!」「たのしい!」という成功体験を何より大切にして、子どもの『やりたい』という気持ちを育てたいんです。「仕方なく通う場所」ではなく、「明日も行きたい!」と思える場所でありたいと願っています。
そしてもう一つ大事にしているのが、「子育ち環境」という考え方です。「子育て」ではなく「子育ち」。大人ががんばって「育てよう」とするのではなく、子どもが自然に「育っていく」環境を用意したいんです。自分の好きなことに夢中になる中で、その子らしさがキラキラ輝いて、心が躍り、結果としてお友達の輪にも馴染んでいく。そんな「子育ち環境」を提供することが、私たちの目指す姿です。
そうした環境づくりの一つとして、「アリスガーデンテラス」という法人の自然広場での活動も取り入れています。ハーブやブルーベリーを収穫したり、冬には『とんど焼き』をして火の温かさや煙の匂いを体験したりと、本物の自然を五感で感じられるんです。保育園に通う小さなお子さんから、放課後デイに通う小学生のお兄ちゃん・お姉ちゃんまで、年齢に合わせて一緒に楽しめる『芋掘り・夏祭り・シャボン玉遊び』など、生きた学びの場をたくさん用意しています。
「ここに来ると楽しいことが待っている!」。そのワクワク感が、子どもたちの「通いたい」という原動力になっています。Instagramでも日々の様子を発信しているので、ぜひ覗いてみてくださいね。



センター長からのメッセージ
子育ての中で感じる「ちょっと気になる」という違和感は、親だからこそ気づけるとても大切なサインです。しらゆりフレンドリークラブでは、「心、躍る毎日を。」という想いを大切にしながら、子ども一人ひとりの「たのしい!」や「できた!」を一緒に見つけていきます。
一人で抱え込まなくて大丈夫です。ちょっと気になった時が、一番いいタイミングだと思います。
「少し話してみようかな」くらいの気持ちで構いません。まずはお電話ください。手続きの流れが分からなくても、お電話をいただければ一から丁寧にご案内します。ご相談は無料です。ご家族と一緒に、ゆっくりと考えていけたらと思っています。

「子育ち環境」にあそびにきませんか?お待ちしています。
施設情報:
| 施設名 | しらゆりフレンドリークラブ(児童発達支援センター) |
| 対象 | 0歳〜18歳(診断がなくても相談OK) |
| 利用時間 | 月〜金 9:30〜15:30 / 週1日から利用可 |
| 所在地 | 神戸市北区大脇台12-1(駐車場完備) |
| 電話番号 | 078-594-7788(月〜金) |
※ ホームページからのお問い合わせや、Instagram(@friendlyk_shirayuri.official)のDMでもお気軽にどうぞ。
